キュウリ、ピーマン、サトイモが高値に 農水省2017年9月5日
「野菜の生育状況及び価格見通し」(29年9月)
農水省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況と価格見通し(29年9月)について、主要産地から聞き取りを行い、その結果を公表した。
現在の生育状況は次の通り
◇根菜類(だいこん及びにんじん):ダイコンの生育は平年並み。ニンジンは、生育期間を通じて、天候が良好に推移したことから、肥大が良好かつ大型傾向にある。
◇葉茎菜類(ハクサイ、キャベツ等):
ハクサイ、キャベツ、ほうれん草、レタスの生育は平年並み。ネギの生育は平年並みだが8月上旬以降の降雨により収穫が遅延している。
◇果菜類(キュウリ、ナス等):キュウリ及びピーマンは、7月下旬以降の日照不足に伴い肥大が遅延。また、8月中旬の日照不足に伴い着果数量が減少している。
ナスは、7月下旬以降の日照不足に伴い肥大が遅延。トマトは、7月下旬以降の日照不足に伴い肥大及び着色が遅延。
◇土物類(バレイショ、サトイモ、タマネギ):バレイショの生育は平年並み。サトイモは、7月の干ばつに伴う生育の抑制が見られる。タマネギは、生育期間を通じて、天候が良好に推移したことから、肥大が良好。
今後の生育、出荷及び価格見通し。記載は、△「9月の入荷シェア」( )書きは28年。△今後の生育及び出荷見通し。△価格見通し(平年(直近5か年平均)比)の9月前半と9月後半。
◇ダイコン:北海道(58%)、青森(36%)。北海道及び青森県において、生育が平年並みであるため、9月前半、後半とも出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◇ニンジン:北海道(91%)。北海道において、生育期間を通じて、天候が良好に推移したことから、肥大が良好かつ大型傾向となったため、8月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移。この影響が残るため、9月も出荷数量は平年を上回り、価格は9月前半・後半ともに平年を下回る見込み。
◇ハクサイ:長野(94%)。長野県で生育が平年並みであるため、出荷数量、価格ともに平年並みで推
移する見込み。
◇キャベツ:群馬(79%)、岩手(10%)。群馬県及び岩手県で生育が平年並みなので出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◇ホウレン草:群馬(32%)、栃木(22%)、茨城(17%)。群馬県、栃木県、茨城県で生育が平年並みなので、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◇ネギ:青森(24%)、秋田(18%)、北海道(15%)。青森県で8月上旬以降の降雨による収穫遅延のため、8月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。青森県で天候が平年並みに推移し、収穫作業が進めば、9月は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込みで、9月後半の価格は平年並みで推移。
◇レタス:長野(82%)、群馬(11%)。長野県と群馬県で生育が平年並みなので、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◇キュウリ:福島(28%)、群馬(12%)、岩手(11%)。福島県と岩手県で7月下旬以降の日照不足等に伴う肥大の遅れのため、8月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。天候が平年並みに推移すれば、肥大の遅れからの回復が見込まれるものの、岩手県では8月中旬の日照不足により、9月前半に収穫時期を迎える着果数量が減少したため、9月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。
9月後半に収穫時期を迎える着果数量が平年並みであるため、9月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込みだ。9月前半の価格は高値水準で推移し、後半は平年並みに回復。
◇ナス:栃木(31%)、群馬(29%)、茨城(20%)。栃木県と群馬県で7月下旬 以降の日照不足に伴う肥大の遅れのため、8月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移した。8月下旬以降の天候の回復により、肥大が回復傾向であるため、9月は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。価格は9月前半は平年並みに回復、後半は平年並みで推移。
◇トマト:福島(18%)、千葉(17%)、青森(14%)。福島県で7月下旬以降の日照不足等に伴う肥大及び着色の遅れのため、8月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移した。天候が平年並みに推移すれば、肥大及び着色の遅れからの回復が見込まれるため、9月は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。価格は9月前半は平年並みに回復し、後半は平年並みで推移。
◇ピーマン:茨城(39%)、岩手(33%)。茨城県と岩手県で7月下旬以降の日照不足に伴う肥大の遅れのため、8月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移した。天候が平年並みに推移すれば、肥大の遅れからの回復が見込まれるものの、茨城県では8月中旬の日照不足により、9月前半に収穫時期を迎える着果数量が減少したため、9月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。
9月後半に収穫時期を迎える着果数量が平年並みなので、9月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに回復する見込み。価格は9月前半は高値水準で推移し、後半は平年並みに回復
◇バレイショ:北海道(96%) 。北海道の生育が平年並みなので、出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
◇サトイモ:千葉(71%)、埼玉(11%)。埼玉県では生育が平年並みだが、千葉県では7月の干ばつにより生育が抑制され、小玉での出荷が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。価格は9月の前半、後半ともに高値水準で推移
◇タマネギ:北海道(90%) 。 北海道では天候が良好に推移し、肥大が良好であることから、出荷数量が平年を上回り価格は平年を下回る見込み。価格は9月の前後半ともに安値水準で推移。
なお、「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
(関連記事)
・ 秋冬野菜の収穫量4%減(17.08.31)
・ JAビル「ミノーレ」で福島夏野菜活用レシピを紹介 JA全中(17.08.21)
・ 主要野菜の生育は平年並み(17.08.01)
・【秋冬野菜の病害虫防除】病害虫の活動が活発に!(17.07.27)
・野菜不足と7割が回答 「サラダ白書2017」調査結果(17.07.25)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(118) -改正食料・農業・農村基本法(4)-2024年11月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (35) 【防除学習帖】第274回2024年11月16日
-
農薬の正しい使い方(8)【今さら聞けない営農情報】第274回2024年11月16日
-
【特殊報】オリーブにオリーブ立枯病 県内で初めて確認 滋賀県2024年11月15日
-
農業者数・農地面積・生産資材で目標設定を 主食用生産の持続へ政策見直しを JAグループ政策要請①2024年11月15日
-
(410)米国:食の外部化率【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月15日
-
値上げ、ライス減量の一方、お代わり無料続ける店も 米価値上げへ対応さまざま 外食産業2024年11月15日
-
「お米に代わるものはない」 去年より高い新米 スーパーの売り場では2024年11月15日
-
鳥インフル 米オレゴン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を14日付で一時停止」2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を13日付で一時停止」2024年11月15日
-
鳥インフル 米ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
南魚沼産コシヒカリと紀州みなべ産南高梅「つぶ傑」限定販売 JAみなみ魚沼×トノハタ2024年11月15日
-
東北6県の魅力発信「食べて知って東北応援企画」実施 JAタウン2024年11月15日
-
筋肉の形のパンを無料で「マッスル・ベーカリー」表参道に限定オープン JA全農2024年11月15日
-
「国産りんごフェア」全農直営飲食店舗で21日から開催 JAタウン2024年11月15日
-
農薬出荷数量は3.0%減、農薬出荷金額は0.1%減 2024年農薬年度9月末出荷実績 クロップライフジャパン2024年11月15日
-
かんたん手間いらず!新製品「お米宅配袋」 日本マタイ2024年11月15日
-
北海道・あべ養鶏場「旬のりんごとたまごのぷりん」新発売2024年11月15日
-
日本各地のキウイフルーツが集まる「キウイ博」香川県善通寺市で開催2024年11月15日