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【出光興産】
日本初、カシューナッツオイルを使った混合飼料を発売  出光興産

 出光興産は11月2日、カシューナッツ殻油(からゆ)を利用し牛のルーメン機能を改善する混合飼料「ルミナップTB」を12月1日から全国販売すると発表した。販売は今年3月から業務提携を始めた共立製薬を通じて行う。

 ルーメン(第1胃)は牛の胃の8割を占め、反芻(一度飲み込んだ食べ物を再び口に戻し咀嚼し直す行為)のための部位だ。
 このルーメンの機能を向上させることで、飼料効率が高まりより少ないエサで早く肥育することができる。90年代ごろまでは、抗生物質を飼料に添加してルーメン内の微生物環境を変える方法が取られていたが、家畜のみならず人間にも悪影響があるとの指摘があり、EUでは全面禁止され、日本でも利用は減少傾向にある。


◆牛の健康増進、病気予防に効果

ルミナップTB 出光が今回開発した「ルミナップTB」は、これに代わる安全な天然素材由来の新商品だ。カシューナッツ殻油を利用した混合飼料は日本でも初めての製品となる。
 カシューナッツ殻油が牛にもたらす効果は、北海道大学との共同研究で2008年、日本畜産学会で発表された。
 カシューナッツ殻油はルーメン液の粘度を下げ、胃の中で食べ物が発酵する時に発生するガスを抑制し、ルーメン機能の低下を予防することができる。また、飼料をエネルギー源に換える効率が向上することや、病気の予防になることも分かった。
 「ルミナップTB」は直径2cm、長さ7cm、重さ20gのタブレット状で、健康状態が悪い牛やルーメン機能を維持したい牛に1日23本、3日連続で与えることで効果を発揮する。まだルーメンが正常に機能していない生後間もなくの牛では効果を発揮しないが、それ以外では肥育牛、経産牛などに関係なくどんな牛にも効果がある。
 来年度には畜産農家の生産性向上とコスト削減につながるような、グレードアップした製品を発売する予定で、2013年度からは海外への販売も視野に入れている。
 価格や販売数量目標などは現在検討中だが、「これまでまったく取り扱ったことがないタイプの新商品なので、どれぐらい売れるかはわからない。しかし効果は高く、大変期待している」(共立製薬)という。
 仕様は1箱12本入り(タブレット2本・6袋)で、共立製薬の特約代理店を介して全国の医薬品専門店、JA、酪農協などで販売される予定。


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