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【農研機構】
硝子率が低く、精麦白度が高い裸麦「ハルヒメボシ」

 農研機構近畿中国四国農業研究センターは、高品質・多収品種の麦みそ・麦ごはん用はだか麦「ハルヒメボシ」を育成した。農研機構では、「生産者の安定した手取り確保につながる」品種だとして、今後の普及に期待している。

 はだか麦は需要に対して供給量が少ない状態が続いている。平成22年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」での32年の生産数量目標は、はだか麦を含む大麦が35万トンとされたが、23年現在では約半分の17.5万トン程しかない。
 また、農業者戸別所得補償制度では、主食等用はだか麦は、容積重、細麦率、白度、硝子率の4項目の品質評価基準を満たさなければ満額の数量払いを受け取れない。しかし近年、産地では、胚乳がガラス状になる硝子率が高くなる問題が起きやすくなっている。
 「ハルヒメボシ」はこうした課題を受け、低い硝子率、高い白度を達成した品種だ。また倒伏に強いため、収穫ロスなどが少なく安定生産が可能となる。
 硝子率は、全国作付の5割を占める「イチバンボシ」が平均33.6%なのに対し、「ハルヒメボシ」はわずか15.5%と低い。白度も「イチバンボシ」の45.5%に対して48.6%と高い数字を示す。
 今秋は愛媛県の東予地域で、みそ原料用として約11haの栽培実証が予定されているが、農研機構では今後も品質評価基準の達成が難しくなった地域などで積極的に「ハルヒメボシ」を普及し、作付を拡大していきたい考えだ。

「ハルヒメボシ」の主な特性

硝子率が低く、精麦白度が高い裸麦「ハルヒメボシ」


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