取り壊しが決まった農業倉庫は東部3カ所、西部2カ所。
東部は計3万俵の集荷買い入れ実績があったが、新たな倉庫はのべ面積943平方mで、約2万2000俵の収容能力がある。倉庫はすべて常温倉庫だったが、新築するのは低温倉庫で、より品質の高いコメを周年出荷できるようになる。また、これまで分散していた倉庫を営農センターの事務所敷地内に併設し集約することで、物流コストの削減も図られる。10月に竣工する予定だ。
西部についても低温倉庫を西部営農センター敷地内に併設する。9月起工、25年5月竣工の予定だ。
このたびの倉庫新築は、公益財団法人ヤマト福祉財団の「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生助成事業」による2億7000万円の助成を受けて決まった。この事業はヤマト運輸が宅急便1個につき10円を震災復興への寄付金として集め、復興に向けた新たなチャレンジに取り組む自治体・団体に助成するもので、JAグループとしては、JAすかがわ岩瀬、鹿島厚生病院(ともに福島県)に続いて3件目となる。JA東西しらかわは平成15年からオリジナルブランド「みりょく満点」の開発や、海外輸出を積極的に行っていることなどの取り組みが評価され、このたびの助成となった。
起工式で鈴木昭雄・JA東西しらかわ代表理事組合長は「震災後、風評被害払拭のキャンペーンや除染対策などに力を入れてきたが、農業施設の復旧は非常に困難だった。ヤマト福祉財団より農業生産復興の第一歩を踏み出す機会をいただき大変ありがたい」と感謝の気持ちを表し、有富慶二・ヤマト福祉財団理事長もそれに応え「みりょく満点ブランドをより発展させ、福島をけん引してほしい」と祝辞を述べた。
(写真)
上:鍬入れを行う鈴木昭雄組合長
下:祝辞を述べる有富理事長
(関連記事)
・宅急便1個10円の寄付終了 ヤマトHD (2012.04.09)
・新しいチャレンジめざす復興事業を支援 JAすかがわ岩瀬が低温倉庫新築 (2012.01.31)
・震災・原発事故を風化させるな 新世紀JA研究会が第11回セミナー (2012.01.27)
・福島産牛肉の安全性を東京でアピール 「元の楽しい牛飼いに戻してほしい」 JA東西しらかわ (2011.09.26)