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JA東西しらかわに力強い復興の槌音 東部協同農業倉庫を起工

 JA東西しらかわは東日本大震災で甚大な被害をうけ取り壊しなどが決まった農業倉庫が5カ所あるが、このたび東部、西部の2カ所に低温倉庫を新築し集約することに決めた。5月8日、東部営農センターがある塙町で起工式を行った。

鍬入れを行う鈴木昭雄組合長 取り壊しが決まった農業倉庫は東部3カ所、西部2カ所。
 東部は計3万俵の集荷買い入れ実績があったが、新たな倉庫はのべ面積943平方mで、約2万2000俵の収容能力がある。倉庫はすべて常温倉庫だったが、新築するのは低温倉庫で、より品質の高いコメを周年出荷できるようになる。また、これまで分散していた倉庫を営農センターの事務所敷地内に併設し集約することで、物流コストの削減も図られる。10月に竣工する予定だ。
 西部についても低温倉庫を西部営農センター敷地内に併設する。9月起工、25年5月竣工の予定だ。
 このたびの倉庫新築は、公益財団法人ヤマト福祉財団の「東日本大震災 生活・産業基盤復興再生助成事業」による2億7000万円の助成を受けて決まった。この事業はヤマト運輸が宅急便1個につき10円を震災復興への寄付金として集め、復興に向けた新たなチャレンジに取り組む自治体・団体に助成するもので、JAグループとしては、JAすかがわ岩瀬、鹿島厚生病院(ともに福島県)に続いて3件目となる。JA東西しらかわは平成15年からオリジナルブランド「みりょく満点」の開発や、海外輸出を積極的に行っていることなどの取り組みが評価され、このたびの助成となった。
祝辞を述べる有富理事長 起工式で鈴木昭雄・JA東西しらかわ代表理事組合長は「震災後、風評被害払拭のキャンペーンや除染対策などに力を入れてきたが、農業施設の復旧は非常に困難だった。ヤマト福祉財団より農業生産復興の第一歩を踏み出す機会をいただき大変ありがたい」と感謝の気持ちを表し、有富慶二・ヤマト福祉財団理事長もそれに応え「みりょく満点ブランドをより発展させ、福島をけん引してほしい」と祝辞を述べた。

(写真)
上:鍬入れを行う鈴木昭雄組合長
下:祝辞を述べる有富理事長


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