6月の全国百貨店売上高総額は、4927億円(棒グラフ)で、4カ月ぶりに前年同月プラス(0.3%)となった。
6月は大震災による自粛ムードが一段落し、消費マインドの回復基調が鮮明になるなか、△高級時計や特選衣料雑貨など一部高級商材に動きがみられたこと△節電意識の高まりと下旬からの記録的な気温上昇を背景に、クールビズや涼感寝具などの暑さ対策関連商材が活発に動いたこと△「絆」消費の盛り上がりで中元の早期受注や父の日商戦が好調に推移したこと―などによって震災後初めて前年実績を上回る結果になったと協会で分析している。
また、震災後の復興需要の拡大から仙台の前年同月比14.1%を中心に東北全域で大幅の伸びを示していることや、大規模増床や新規出店のあった大阪と福岡では引き続き活況を維持していること。さらに震災で急減した外国人観光客の売上も徐々に回復の兆しを見せていることなども報告されている。
商品別では、図の折れ線グラフに見られるように生鮮食品が8カ月ぶりに前年同月比でプラスにとなり、惣菜も2カ月連続でプラスとなっている。また、食料品全体でも2カ月連続プラスとなっており、売上高総額に占める食料品の構成比も5月の25.2%から6月は30.0%へと高まっている。
翌月(7月)の売上見通しについて「増加する」23店(前月の回答は19店)、「変化なし」75店(同74店)、「減少する」28店(31店)、不明48店(同50店)と回答しており、前月(5月売上)調査より、明るい見通しを持つ店がやや増えている。
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