◆自給率上げるため、米食べる
1週間の主食調査では、米の回数が13.3でトップ。次いでパン3.83、麺類1.92、その他0.84で、食べなかったが1.13あった。
米食の内訳は、家庭で炊飯(自宅で作る弁当を含む)が10.98、次いで弁当・おにぎりなどの調理済み米食(いわゆる中食)が1.04、外食が1.0、レトルトご飯やもちなどの加工米食が0.28だった。特に家庭での炊飯が増えたのは単身男性で、週に7食以上増えた人が4.2%もあった。
今後、家庭での炊飯を増やしたいかどうかについては、「増やしたい」が14.7%、「減らしたい」が1.5%となった。「増やしたい」は、リーマンショックが起きた21年に23.9%となってから昨年調査まで2年連続で減少傾向だったが、今年は3年ぶりに増えた。
その理由としては、「外食を減らして家で食べることを増やしたい」42.1%、「パン・麺類を減らしてご飯を増やしたい」33.9%、「健康のため」34.3%の3つがとくに高かったが、ほかには「食料自給率を上げるため」が11.4%と昨年に比べて3.9ポイントも増えており、食料自給率に対する関心が高まっていることがわかった。
◆増えるネット販売と縁故米
本調査では米の購入についても聞いた。
米の主な入手先のトップは「スーパー」42.3%だが、次いで「親兄弟・親戚・知人などから無償で入手」18.9%、「生協」7.1%、「ネット販売」6.3%と続く。
「無償で入手」と答えた人を年齢別にまとめると20代以下から30代が圧倒的。JC総研では「若い世代の経済的苦境を如実に表す結果」と分析している。
入手先で伸びが顕著なのは「ネット販売」だ。3年前は2.1%だったので、この3年間で3倍に増えたことになる。「ネット販売」を使う主な理由は、「重い米を持ち歩かなくて済む」、「さまざまな価格帯・産地・銘柄が選べる」など。「無償で入手」も4年前に比べ3.3ポイント増加した。一方、大きく減らしているのは「生協」、「生産者から直接購入」だ。特に「生協」は減少が著しく、4年前の調査から毎年減り続け、トータルで4.2ポイントも落ちている。
1回に買う米の量は5kgが最多だが、年々10kg、30kgが増えている。これは「経済情勢の悪化から、割安感のある大袋が選ばれる傾向が強まっている」(JC総研)と見ている。
米の売り場に対する要望では、「品種別の特徴を紹介してほしい」、「試食したい」、「農薬の使用状況を知りたい」などが上位。そのほか、「取っ手付きなど持ち運びやすい容器を作ってほしい」、「冷蔵庫に入れられるような容器にしてほしい」など、従来の袋売りとは異なる容器を望む声も多くあった。
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当該調査は24年3月中旬にインターネットを利用し年齢・性別等不問で行い、2090人から回答を得た。JC総研ではこのほか、野菜、畜産物、果樹など品種別の消費行動調査を行っている。
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