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宅配食など伸び見込む 富士経済の外食産業調査

 富士経済は5〜9月に外食産業14分野128業態を調査、その結果を11月21日発表した。外食企業の事例研究や外食産業の都道府県別マーケットポテンシャル分析なども行っている。

外食産業全体市場推移 128業態のうち2012年に市場の拡大が見込まれるのは61業態で、11年の36業態を上回るが、これは11年の大幅な落ち込みの反動が要因となっている。
 成長率トップの「宅配釜飯」は前年比0.5%増の47億円を見込む。釜寅、釜のやという上位2チェーンが新規出店を増やし、市場を拡大させている。
 2位は「とんかつ・かつ丼」で、0.4%増の218億円を見込む。アークランドサービスや松屋フーズが店舗増で市場拡大を牽引している。
 3位は「病者・高齢者食宅配」で、ワタミタクショクの継続的な営業所開設や、シルバーライフの出店攻勢が市場の伸びに寄与している。この分野は高齢化の進行もあって、依然として成長の余地がある。12年は上位企業の好調に加え、日清医療食品が参入した。
 また10、11年と高い成長率を示した均一価格型の居酒屋は市場が縮小している。


◆注目市場は朝食

 一方、外食産業全体市場の調査結果は、11年が32兆1764億円で、大震災のため前年比1.6%減となった。全14分野のうちプラスとなになったのはファストフード、テイクアウト、給食の3分野のみであった。
 12年は5年ぶりのプラスに転じ、0.6%増の32兆3779億円となる見込み。プラス見込みはファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、ファミリーレストラン、東洋料理、宿泊宴会場の8分野。

市場成長率トップ10業態

 注目される動向の1つとしては朝食市場が挙がった。高齢化の進行や、団塊世代のリタイヤに伴う時間的余裕などから各社とも朝の外食を注力市場としている。
 またイタリアン市場全体は縮小が見込まれるが、ファミリーレストランのサイゼリヤは国内千店舗体制に向けて事業を拡大している。宅配ピザでもピザーラ、ピザハットの出店など積極的な動きが見られ、両業態は12年も市場を伸ばすと見られる。


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