米の内部組織の変化を発見 人の健康に寄与する可能性大ー東洋ライス2018年8月23日
東洋ライス(株)は、従来と同一産地・品種だが、「亜糊粉層」(あこふんそう)が肥厚化した米がみられるという新たな事実を発見、これが人の健康に大いに寄与するのではないかという知見を発表した。
米の「亜糊粉層」とは、玄米粒の表面を覆う糠層のうち深層の糊粉層と澱粉層(胚乳)との間にある数ミクロンの白い細胞層(下図参照)で、甘味や旨味を生成する酵素が多く含まれている。さらに、自然免疫力を高めるLPS(リポポリサッカライド)をはじめ、ミネラルなどの栄養成分や旨味成分が多く含有する部分のことだ。
東洋ライスは、通常の精米製法では糠と一緒に取り除かれてしまうこの亜糊粉層を残すことができる独自の精米製法による「金芽米」を商品化し普及することで、その健康効果を実証してきている。
今回、同社が発見した肥厚化した亜糊粉層をもつ米を金芽米に仕上げることができれば、図のように健康に良い亜糊粉層だけではなく、搗精率も高くなるので胚芽の残存率も上がり、その栄養成分もこれまでの金芽米よりもはるかに多く摂取できることになり、いっそうの健康効果が見込めると考えられている。
しかし、現状では亜糊粉層が厚い米を見極めるには特殊な技能と手間がかかること。また亜糊粉層を分厚く残した金芽米に仕上げるにもこれまで以上の特殊な技能が必要となるため、商品として提供できるようになるのは、「少し先になる」という。
また、今回の発見は「すべての米について調査したものではない」こと、さらに「このような米が出現する原因について解明できていない」ので、同社では「さらなる調査を進める」ことにしている。
なお、この発見については、8月24日に東北大学で開催される「日本食品科学工業会第65回大会」で詳しく発表される予定となっている。
玄米表層部の比較略図の説明:変化した玄米を普通白米に仕上げたのでは通常の白米と変わりないが、金芽米に仕上げると亜糊粉層が厚く残るので健康成分・旨味成分が従来の金芽米(左)よりも多く摂取できる(右)。なお、「除去域」とは、玄米を搗精し糠として除去する部分のこと。
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