生乳取引 28年度から入札を試行実施2015年10月23日
農林水産省の「生乳取引のあり方等検討会」は10月16日に報告書をとりまとめた。これに基づいて指定団体と乳業メーカーは28年度から試行的に入札を実施する。
検討会は生産者団体と乳業メーカーの協議の場として7月に設置された。今後の生乳取引のあり方について▽乳価改定が適切に行われるための交渉期限の設定や地域ごとの生産コストをふまえた乳価交渉のあり方、▽乳価交渉の経過や結果の生産者への周知方法、▽生乳の有利販売の拡大など5項目をテーマに5回開催された。
その結果、28年度以降の生乳取引に反映すべき事項を報告書にまとめた。 乳価改定は毎年度12月末までに価格改定等を決着させることを基本とする。現在は1月に双方が要求を出し合って3月末までに決着させていたが、乳業メーカーが新年度から製品価格に転嫁に要する期間を踏まえて、毎年年末までに前倒しすることにした。
乳価改定のための農林水産省の牛乳生産費統計(都府県分)データの公表時期も年内とするほか、生産資材等価格の統計データも迅速に提供する。 乳価交渉の結果についても、妥結額に加え要求内容や妥結額の根拠などの情報を生産者に提供する。指定団体は部会等の場で直接生産者に交渉結果を説明するなど、適切に情報が届くよう努める。 乳業者は指定団体と連携しつつ、消費者ニーズをふまえた「特色ある牛乳乳製品」の製造販売の取り組みを進めるため、「特色ある生乳」のプレミアム取引を一層拡大する。特色ある生乳生産は放牧や、有機栽培による給与飼料など。
入札制度については乳製品向け生乳(バター・脱脂粉乳、チーズ、生クリーム向けを用途無指定)を対象に指定団体、乳業者と協議のうえ需給状況等を勘案した可能な数量で実施する。
飲用向け生乳は、生産者や生産者集団が主体的に販売を行うことを希望する「特色ある生乳」を対象に希望する数量で実施する。入札の回数や実施時期など具体策は今後検討していく。28年度から2年間試行的に実施。この検討会は継続し、乳価交渉や入札取引のあり方などを検証していく。
(関連記事)
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