農業者向け保障を拡充 JA自動車共済仕組改訂2018年2月16日
JA共済連では、農業を取り巻く環境の著しい変化などを踏まえ「農業者向け保障の拡充」などの改定を4月1日から実施する。また併せて、近年普及が進んでいるAEB(衝突被害軽減ブレーキ)によるリスク軽減効果を共済掛金に反映する新しい仕組みの「ASV割引」も導入する。
(1)季節農業用自動車保障特約を拡充
◆移植機、収穫機、摘採機を追加
JA共済では、農作業事故の死亡率が高いことや、未保障の農業用自動車が相当数存在することから、平成27年10月に「未保障の農業用自動車の解消」を目的に、記名被共済者やその家族の人が所有・借用する農業用自動車のうち、季節稼動性が高い田植機、刈取脱穀作業車(稲作用)および農業用薬剤散布車について、台数を問わず包括的に保障する「季節農業用自動車保障特約」を新設した。
これにより、未保障な農業用自動車の解消は一定程度図れたものの、農業用自動車では、自動車共済(保険)が付帯されず未保障となっているものがまだ数多く存在していることから、季節農業用自動車保障特約の保障対象として農業用自動車(対象農業用自動車)の範囲を移植機や収穫機(ハーベスター)、摘採機(茶刈機)などに拡大した。
また、企業の農業参入に関する規制緩和などで農業法人の経営体数は増加しており、法人契約に対する保障拡充の必要性が高まっている。しかし、法人契約では他車運転特則が適用されず、業務中に契約の車以外の自動車を運転する場合は「保障対象外」となっているので、他車運転特則の適用範囲を拡大し、法人契約にも適用可能とした。
(2)賠償責任保障の被共済者範囲の拡充
◆責任無能力者の監督義務者を追加
認知症などにより責任無能力者となった人が起こした事故で、万が一、その家族が監督義務者として損害賠償責任を負担した場合でも、万全の保障提供を可能とするため「責任無能力者の監督義務者」を賠償責任保障(対人賠償責任条項など)の保障を受けられる人(被共済者)の範囲に追加する。
この仕組改訂については、自動車共済のほか、賠償責任共済およびボランティア活動共済においても同様の改訂を実施する。
(3)共済掛金率の変更
◆ASB割引の新設
国土交通省では、交通事故削減を目的としたASV(先進安全自動車)推進計画を進めている。JA共済も交通事故対策活動に積極的に取り組んでおり、衝突被害軽減ブレーキが普及することにより、農村地域の交通事故減少効果も見込まれることから、ASVのうち「衝突被害軽減ブレーキ」(AEB)を装備した乗用車について、掛金を割り引く制度を導入し、掛金率水準を平均で約3.8%引き下げる。また、農業用貨物車割引適用契約の危険損害率が良好なので、7%としていた割引率を10%に拡大する。
(4)サービス水準を拡大
レッカーサービスの無料搬送距離をこれまでの30kmから100kmに拡大する。また、JAF会員向けサービスを拡大し、ロードサービスの30分を超えた現場での作業料金について、これまでの4000円から5000円(税込)を限度に拡大する。
このほか、次のようなサービス内容の追加。変更を行う。
レッカーサービスにおいて、特殊作業(クレーン使用および長時間を要する難作業など)を伴う引上費用について、5万円(税込)を限度としてサービスの対象とする。
ロードサービスでのスタック(ぬかるみなどでスリップした状態)からの引き上げ作業についてもサービスの対象とする。
さらに以下の車種をサービス対象に追加する。
営業用(小型・軽)貨物自動車、営業用普通貨物自動車(最大積載量2t 以下)、小型ダンプカー ・普通型ダンプカー(最大積載量2t以下)
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