米国に和牛の加工施設-JA全農2018年2月26日
・輸出拡大の拠点稼動へ
JA全農は2月22日、米国に設立した食肉加工販売会社が稼動を開始すると発表した。日本から輸出する和牛のブロック肉を現地で顧客ニーズに合わせて加工することで付加価値を高め販売先を拡大するのが狙い。米国で和牛の食肉加工施設が設立されるのは初めてだという。
JA全農の米国子会社、全農アメリカ(株)はロサンゼルスに本社がある食品販売企業のポセイドン・グループ・インターナショナル・インク(以下、ポセイドン社)と共同出資(各50%出資)し昨年11月に食肉加工販売会社(名称:P&Z FINE FOODS)を設立した。ポセイドン社は米国への和牛輸入再開以来のパートナーとして職員の派遣や販売指導などを行ってきており、このほど新会社の施設整備と米国内の認可などの手続きを経て3月から稼動する見込みとなった。
(写真)P&Z FINE FOODS社の概観
同社は日本から輸出する約10kgの和牛ブロック肉をステーキサイズや薄切りスライスなど顧客ニーズに対応した加工を行う。これまでブロック肉では量が多過ぎて扱えないといった店舗もあったが、加工することによってこれまでの卸売会社への販売に加え、量販店・ホテル・レストランなどより消費者に近い和牛の販売先を増やし輸出数量の拡大を図る。
(写真)加工場スライサー。原料牛肉を加工する。
また、生鮮食品のネット販売も伸びていることから量販店のコストコなどのeコマースも活用することも検討する。
施設の稼動によって「食肉加工の技術者がいない販売先などにも輸出のすそ野を広げられる」(JA全農インターナショナル)ことになる。
また、プロモーション活動を通じて高級部位以外の使い方や食べ方の普及・推進などにも取り組むほか、日本産米やその他の食品の取り扱いも検討している。
同社の所在地はロサンゼルス近郊のパラマウント市。ロサンゼルス空港からもロングビーチ港からも車で約30分の距離だという。
(写真)最終製品に加工して販売する。
和牛の加工による輸出拡大はもちろんだが、物流・保管施設も持つ同社を日本産農産物の輸出拠点の「モデル的な工場」としても位置づけ、今後の輸出戦略に活かす。
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