JAの活動:第4回営農・経済フォーラム
【第4回営農・経済フォーラム】所得増大、生産拡大へ自己改革加速を2018年9月18日
農業者の所得増大や農業生産の拡大に向けたJA自己改革の取り組みを発信し共有しようとJA全中は第4回営農・経済フォーラムを全国3か所で開いた。テーマは「営農指導強化による生産・販売の拡大」。常勤役員・幹部職員らが各会場150人~160人が参加し、実践事例報告やグループ討議を行った。ここではJAの実践事例報告を中心にまとめた。(東日本地区=8月20日~21日・新横浜プリンスホテル、中日本地区=8月23日~24日・新大阪ワシントンホテルプラザ、西日本地区=アークホテルロイヤル福岡天神)明日から数日に分けて、各地区の報告を掲載します。
挨拶・情勢報告
対話運動で組織基盤強化を
JA全中 肱岡弘典常務理事
JA改革には不断に取り組む必要があるが、2つの重大な期限を意識しなければならない。
1つは規制改革推進会議が決めた農協改革集中推進期間が来年5月まであり、残り1年を切った。もう1つは平成33年3月末を期限として進められている准組合員の利用規制のあり方についての調査だ。
JAは改革の一丁目一番地である営農・経済事業改革にJAごとに特色ある取り組みを実践し成果を生み出しつつあるが、農水省のアンケート調査では組合員とJAとの間で認識に溝がある。そこで自己改革に対する組合員からの高い評価を対外的に主張していくためにも、全組合員を対象にアンケートに取り組むことにした。総合事業や准組合制度の意義などを聞くことになるが、自己改革の取り組みを広く発信するためにも、協同組合らしい対話運動に徹底して取り組んでほしい。
(写真)JA全中肱岡常務
◇ ◇
営農・経済事業をめぐる情勢だが、農業者の減少が加速化している。平成22年から27年までは年間▲6万人だったが、27年から30年では▲10.1万人となっている。農業就業人口は175万人、基幹的農業従事者は145万人だ。担い手の利用集積面積は235万haで全耕地面積の52%を占める。JAの事業シェアは販売金額1000万円以上の経営体で平均以下と低く、この層のJA利用向上が改革のターゲットでもある。
現在、第28回JA全国大会議案を検討中だが大きな課題は整理されている。
1つは地域農業の将来像を支店単位で描くこと。地域農業を支える多様な担い手のニーズに対応する複数の事業方式・支援策を実践することが求められている。また、農業の「人財」確保については避けて通れない問題になる。事業承継事業のほか准組合員、地域住民の参加なども含め人材を確保しなければならない。 担い手経営体への対応強化のため、さらなるJA、連合会、中央会(タテ)の連携強化と総合事業機能の発揮をめざす。また、JAの経営基盤の強化と営農指導体制の充実なども課題としている。
JA全農の自己改革
スケールメリットの最大化
フォーラムでは「JA全農の取り組み状況」について、3会場でJA全農の吉見均常務、安田忠孝常務、久保田治己常務が「変革期におけるJA支援強化に向けた対応方向」を報告した。
購買事業では肥料の銘柄集約など全農への結集で価格引下げを実現した。今後も新しい共同購入運動を徹底することが重要だと強調した。
販売事業では県域を越えた合同商談、広域集出荷施設の整備・活用、全国リレー出荷体制の構築を図っている。今後もスケールメリットを生かした取り組みを強化し農業所得の増大を図る。
マーケットインを軸とした販売力強化にも取り組む。▽販売先を明確にした契約栽培拡大、▽輸入農畜産物の国産への切り替え、▽eコマース事業の本格展開とインバウンド需要への対応に取り組む。
また、国産農畜産物の輸出拡大と産地づくり支援に向け▽国内から海外へのサプライチェーン構築、▽輸出情報の共有化、▽全農への結集による海外での産地間競争回避に取り組む。そのほか、生産から消費までのバリューチェーンの構築と高度化にも取り組む。
JA経営基盤強化に向けた支援としては、▽JAの事業運営コストの低減、▽JA経済事業における内部統制リスク回避の観点からJAと全農の機能分担の見直し、▽生産資材店舗、農機事業、SS等の拠点型事業の一体運営、経営受託の取り組み強化、▽JAの施設コンサル運営改善、▽受発注や物流業務の全農受託などを進める。
そのほか農家対応力の強化支援、農業労働力確保支援、農業ICTを軸とした技術革新支援にも取り組む。
(写真)吉見均常務、安田忠孝常務、久保田治己常務
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