10月後半の野菜の生育状況と価格見通し2018年10月17日
農水省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の10月後半の生育状況と価格見通しについて主産地等から聞き取り調査を行い、その結果を公表した。
これによると、ニンジン、ホウレンソウ、ネギ、キュウリ、トマトについて、9月下旬から10月上旬に相次いだ台風の影響で生育が低下したり、傷みが発生したりしたため、価格が高値で推移すると予想されている。
「ダイコン」は昨年10月の入荷シェアで32%を占めていた北海道と、青森(同30%)で生育が平年並みだが、千葉県(同23%)で台風第24号による塩害が発生したため、出荷量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「ニンジン」は北海道(同93%)で、6月中旬から7月上旬にかけての長雨と、7月中下旬の高温、干ばつで生育が低下し小ぶりとなっており、出荷量が少ない状況が続くと予測されている。
「ハクサイ」は長野県(同76%)で9月の長雨で傷みが発生し、茨城県(同13%)で生育が遅延したため、出荷量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「キャベツ」は群馬県(同48%)、茨城県(同16%)で生育は平年並みだが、千葉県(同18%)で台風第24号による塩害が発生したため、出荷量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「ホウレンソウ」は群馬県(同44%)、茨城県(同21%)、栃木県(同16%)で9月の日照不足により生育が低下し、細身となっている。また、台風第24号による葉の損傷のため、出荷量は少ない状況が続き、価格は高値で推移する見込み。
「ネギ」は青森県(同20%)、秋田県(同15%)において生育は平年並みだが北海道(同20%)は6月下旬から7月上旬にかけての長雨で作付けが減少。10月上旬の降雨により、収穫作業が遅延したため10月後半も出荷量が少ない状況が続き、高値で水準する見込み。
「レタス」は茨城県(同56%)9月の長雨に伴う生育遅延や、台風第24号に伴う葉の損傷に加え、長野県(同30%)で9月の長雨に伴う傷みの発生により、出荷量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「キュウリ」は群馬県(同27%)、福島県(同15%)において、9月の日照不足に伴う落花の発生により着果数量が減少したが、生育は回復傾向。また、埼玉県(同27%)において、生育は平年並みであるため10月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。
「ナス」は 高知県(同30%)で生育が回復傾向であるものの、栃木県(同21%)、群馬県(同21%)で9月の日照不足で落花の発生により着果数量が減少したため、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。
「トマト」は千葉県(同20%)、茨城県(同14%)で9月の日照不足に伴う落花の発生により着果数量が減少したため、出荷数量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「ピーマン」は茨城県(同55%)で9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したが、天候の回復に伴い生育は回復傾向。また、岩手県(同17%)で生育が平年並みのため、10月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。
「バレイショ」(北海道が同98%)、「タマネギ」(北海道が同95%)は出荷量、価格ともに平年並みで推移すると予測されている。
「サトイモ」は埼玉県(同51%)で生育が平年並みだが、千葉県(同26%)7月の高温・干ばつや台風第24号に伴う風害などで生育が低下し小玉となっており、出荷数量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
(関連記事)
・収入保険 10月1日から加入申請手続き(18.09.27)
・豪雨被害 政府備蓄米の支援も準備(18.07.11)
・【野菜の流通と文化を考える】第1回 JA全農青果センター設立の意味(18.05.15)
・植物工場野菜の認知度あがる 日本公庫調査(18.03.15)
・野菜需給の硬直性(18.02.19)
・今年最も食べられた野菜は「たまねぎ」 タキイ種苗(17.12.15)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】小麦、大麦に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年4月22日
-
米の海外依存 「国益なのか、国民全体で考えて」江藤農相 米輸入拡大に反対2025年4月22日
-
【地域を診る】トランプ関税不況から地域を守る途 食と農の循環が肝 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年4月22日
-
JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト 子育て、災害、農業のチームが事業構想を発表(1)2025年4月22日
-
JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト 子育て、災害、農業のチームが事業構想を発表(2)2025年4月22日
-
米の品薄状況、備蓄米放出などコラムで記述 農業白書2025年4月22日
-
農産品の輸出減で国内値崩れも 自民党が対策提言へ2025年4月22日
-
備蓄米売却要領改正で小売店がストレス解消?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月22日
-
新入職員が選果作業を体験 JA熊本市2025年4月22日
-
JA福岡京築のスイートコーン「京築の恵み」特価で販売中 JAタウン2025年4月22日
-
米の木徳神糧が業績予想修正 売上100億円増の1650億円2025年4月22日
-
農業×エンタメの新提案!「農機具王」茨城店に「農機具ガチャ自販機」 5月末からは栃木店に移動 リンク2025年4月22日
-
「沸騰する地球で農業はできるのか?」 アクプランタの金CEOが東大で講演2025年4月22日
-
「ホテルークリッシュ豊橋」で春の美食祭り開催 東三河地域の農産物の魅力を発信 サーラ不動産2025年4月22日
-
千葉県柏市で「米作り体験会」を実施 収穫米の一部をフードパントリーに寄付 パソナグループ2025年4月22日
-
【人事異動】杉本商事(6月18日付)2025年4月22日
-
香川県善通寺市と開発 はだか麦の新品種「善通寺2024」出願公表 農研機構2025年4月22日
-
京都府亀岡市と包括連携協定 食育、農業振興など幅広い分野で連携 東洋ライス2025年4月22日
-
愛媛・八幡浜から産地直送 特別メニューの限定フェア「あふ食堂」などで開催2025年4月22日
-
リサイクル原料の宅配用保冷容器を導入 年間約339トンのプラ削減へ コープデリ2025年4月22日