11月の野菜の生育状況と価格見通し2018年11月8日
農水省は11月7日、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の11月の生育状況と価格見通しについて主要産地等から聞き取り調査を行いその結果を公表した。
根菜類、葉茎菜類では9月の長雨・日照不足および台風24号に伴う塩害の発生により生育が遅延、果菜類ではトマトが10月中旬以降気温が低いことから肥大着色が遅延した。しかし、10月の天候回復で生育が回復傾向となり、出荷量、価格とも平年並に落ち着く見通しだ。
品目別にみると、
「ダイコン」は出荷終期の北海道で9月以降の天候が良好だったため太物傾向、昨年11月の入荷シェアで18%を占めていた青森では平年並みとなっている。また、千葉県(同55%)と神奈川県(同14%)で9月の長雨や日照不足、台風による塩害で生育が遅延していたが、10月以降の天候回復により生育が回復傾向となっているため、出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込み。
「ニンジン」は北海道(同27%)で6月下旬から7月上旬にかけての長雨と、7月中下旬の高温・干ばつで生育が低下。後続の産地の千葉県(同50%)でも9月の長雨や日照不足、台風による塩害で生育が低下し小ぶりとなったため、出荷数量は平年を下回り、価格は高値水準で推移する見込み。
「ハクサイ」は茨城県(同80%)で成育が平年並のため、出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込み。
「キャベツ」は茨城県(同25%)で平年並みとなっており、群馬県で10月の天候が良好で大玉傾向となっている。後続の産地の千葉県(同32%)と愛知県(同25%)でも9月の長雨・日照不足および台風24号に伴う塩害の発生により生育が遅延したが、10月以降の天候が良好で、生育が回復傾向のため出荷数量・価格ともに平年並みで推移すると予測されている。
「ホウレンソウ」は群馬県(同32%)、茨城県(同26%)、栃木県(14%)で生育は平年並みとなり、出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込みとなっている。
「ネギ」は北海道で6月下旬から7月上旬にかけての長雨により作付けが減少したが、青森県(同15%)、秋田県(同11%)、茨城県(同12%)で生育が平年並みのため出荷数量・価格ともに平年並みに戻る見込み。
「レタス」は茨城県(同64%で)生育が平年並みのため、出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込みとなっている。
「キュウリ」は埼玉県(同30%)、群馬県(同24%)、宮崎県(同18%)で生育が平年並み、出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込み。
「ナス」は群馬県や栃木県で9月の日照不足により落花が発生したが、後続の産地の高知県(同65%)と福岡県(同16%)で生育が平年並みのため、出荷数量・価格ともに平年並みに戻る見込み。
「トマト」は熊本県(同29%)と千葉県(同20%)で10月中旬以降、気温が低く肥大が遅延。天候回復し熊本県で生育も回復傾向であるものの、前半は出荷数量が少ない状況が続く見込み、後半は平年並みに戻ると予測されている。
「ピーマン」は茨城県(同43%)や宮崎県(同19%)で10月中旬以降気温が低く推移したため肥大が遅延したが、天候の回復により出荷数量・価格ともに平年並みに戻る見込み。
「バレイショ」(北海道が同98%)と「タマネギ」(北海道が同95%)は出荷数量・価格ともに平年並みで推移する見込み。
「サトイモ」は千葉県(同12%)で7月の高温・干ばつで生育が低下、小玉傾向となったが、埼玉県(同57%)で生育良好のため、出荷数量・価格ともに平年並み推移する見込みとなっている。
(関連記事)
・11月の野菜の生育状況と価格見通し(18.11.08)
・10月後半の野菜の生育状況と価格見通し(18.10.17)
・9月後半の野菜の生育状況と価格見通し(18.09.18)
・8月の野菜の生育状況と価格見通し(18.08.06)
・野菜の価格ほぼ平年並みに 農水省(18.06.07)
・営農管理システム「Z-GIS」が運用開始 JA全農(18.04.24)
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