協同組合運動に勇気と示唆を与える8氏を表彰 |
今回は、すでに本紙で報じているように、経済事業・共済事業・信用事業および一般文化の4部門各2名、合計8名の方が受賞された。これで、前回までの受賞者157名と合わせて165名の方が同賞を受賞されたことになる。 |
受賞者の信念と心をもって後継者の育成を |
経済事業部門 | |
元山口県経済連専務理事 | 田中 博 氏 |
北海道元由仁町農協組合長 | 馬場 良武 氏 |
共済事業部門 | |
前愛知県共済連代表理事専務 | 日比野 照 氏 |
前高知県共済連常務理事 | 松田 幹夫 氏 |
信用事業部門 | |
長野県前北信州みゆき農協組合長 | 阿部 雄治 氏 |
群馬県甘楽富岡農協会長理事 | 黒澤 映一 氏 |
一般文化部門 | |
東京都女性協会長・東京あおば農協理事 | 保戸塚節子 氏 |
元島根県中央会共通役員室長 | 若槻 耕三 氏 |
【表彰式】 次いで同賞推薦委員会を代表して榊春夫氏が挨拶した。榊氏は 「あちらこちらで農地が荒廃をして、農地があっても農業利用度がどんどん低下している。一方で、農地がありながら耕作をする人がいないという悲しい事実」 ある。それを打開するためには 「農協が、第一線の農家の人たち心、消費者の心を心として、生活を守るためにどうするのか、ともに苦しみ、ともに打開策を求めていくという地道な運動を積み上げていかなければいけない」。そうした 「底辺からの運動を再出発させるために、受賞者のみなさんとともに、協同組合運動振興のために邁進していきたい」 と述べた。 その後、8名の受賞者に表彰状と記念の楯が贈られ、来賓を代表して加藤源蔵JA全中副会長が祝辞を述べた。そして、受賞者の農業・農協運動への熱い思いを込めた体験発表(詳細は本紙1787号掲載)を聞き、「多年の間、ひたすらに農業、農協の業務に突き進んでこられた受賞者の信念、心を引継ぎ、後進を育て、運動の後継者を増やしていくために、互いに協力しあっていこう」という、中川敞行(社)農協協会顧問の閉会の挨拶の言葉を出席者が胸に刻み閉会した。 表彰式後の 「農協人文化賞受賞記念パーティー」 には、梶井功東京農工大学長、白石正彦東京農大教授、北出俊昭明治大教授など学界の方々。 中村祐三・今尾和実JA全中常務、前田千尋JA共済連専務、上原寿宰・佐々木功JA共済連常務、藤村征夫JA全農常任監事、尾崎進農林年金理事長、田中恒久協同住宅ローン社長(元農林中金副理事長)など、多数のJAグループ関係者。 徳島秀一日産化学工業渇長をはじめとする肥料・農薬・農業機械など生産資材会社の関係者。農協界OBなど約200名が出席し、華やかに、そして温かい雰囲気のなかで開催された。 会場のあちらこちらに、受賞者を中心にいくつもの懇談の輪ができ、受賞者の体験報告やこれからの協同組合運動など、つきぬ話題が語られていた。 ◆「農」
に端を発する文化を後代に パーティーでは、佐藤農協協会会長代行と、推薦委員会を代表した榊氏の挨拶の後、尾崎進理事長が乾杯の音頭をとった。 ◆21世紀の農業はJAの取組みいかんに 梶井功東京農工大学長は、新しい基本法に基づく 「食料・農業・農村基本計画」 に触れながら要旨次ぎのような祝辞を述べた。 しかし、基本計画全体を貫くトーンは、農協のそうした取組みに期待していないように思える。「この矛盾を克服し、欠陥を埋めていくために、私はそれぞれのJAの活動に期待せざるを得ないと考えています。そのために、受賞者の活動をJAのみなさんがどれくらい噛締めて自分のものとして身につけてやっていけるかが大事だと考えています」。 ◆共済事業の誇り 前田千尋JA共済連専務は 「共済事業部門で受賞されたお二人は、この4月に実現した県共連と全共連の組織統合の功労者でもあり、率先垂範しながら全体のリーダー役を努めていただきました。そういう意味でも、今回受賞されたことは嬉しい限りですし、誇りに思っています」 と挨拶した。 ◆組合員・地域に根ざした強みを活かすとき ◆日本農業の前途に光あれ 農薬工業会会長や化成肥料協会会長などを歴任した徳島秀一会長は 「受賞者の話に感激しました。長い間の現場でのご苦労がなければこういうお話はできないと痛感しました。日本農業の前途に光あれと心から祈念いたします」 と、産業界を代表して祝辞を述べた。
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注:中川敞行農協協会顧問の「敞」のへんの部分は、正確には「尚」となりますが書体の都合により「敞」とさせていただきました。 |
農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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